2026.02.03
日常生活でモモンガを見かけることはほとんどありませんが、その名前を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。モモンガは全国的に分布が確認されているものの、個体数は減少傾向にあり、都道府県によっては絶滅危惧種に指定されています。しかし、詳しい生態や生息環境については、いまだほとんど明らかになっていないのが現状です。
小さくてかわいらしいモモンガですが、いったいどのような生き物なのでしょうか。今回は、やまがたヤマネ研究会の中村さんにお話を伺いました。
※ヤマネやモモンガの捕獲には国や都道府県知事等からの許可が必要です
モモンガの特徴
ニホンモモンガは目がとても大きく、身体は小さいことが特徴で、その大きさは手のひらにすっぽり収まるほどです。毛の色は季節によって変化し、夏は茶色っぽく短い毛、冬は灰色がかった長くふわふわした毛になります。季節によって毛を換えることで、暑さや寒さに適応しているのですね。
そんなモモンガですが、昼間は樹洞や巣箱で休み、夜に活動をする夜行性です。活動している最中はほとんど地面に降りずに、食事も樹上で済ませます。さらに動きが非常に素早いため、野外で観察できることは滅多にないそう。一般的には、標高約200mの低山帯から約1,500mの亜高山帯に生息しています。
ニホンモモンガはリスと同じ仲間に属しますが、何を食べているかはまだよく分かっていません。北海道に生息するタイリクモモンガの生態から、葉、昆虫、樹皮、堅果、果実、キノコなどを食べていると考えられています。
夏毛
冬毛
モモンガのマント
モモンガはエサを求めて木から木へと飛び移ります。前足と後ろ足の間には「飛膜」と呼ばれる膜があり、これをいっぱいに広げることで空中を滑空します。樹上からジャンプし、飛膜を広げて空気を受けることで滑空できるのです。滑空の際は、しっぽは舵の役割を果たしていて、バランスを取ったり方向転換したりしながら、100m以上飛ぶこともできるそうです。鳥のようにパタパタと飛ぶのではなくて、パラシュートのように飛んで移動しているのですね。
ちなみにモモンガと同じく空を飛ぶ動物にムササビがいますが、その違いをご存じでしょうか?最も分かりやすい違いは体の大きさで、手のひらサイズのモモンガに対し、ムササビは座布団ほどの大きさがあります。さらに飛膜のつき方も異なり、モモンガには後ろ足としっぽの間に飛膜がありませんが、ムササビには飛膜があるため、飛んでいる姿はホームベースのような形になります。
モモンガはシングルマザー?
モモンガは樹洞を好んで巣にしますが、ヒトが作った巣箱でも生活することが知られています。繫殖期は年に2回、春と秋です。1回に産まれる子どもは通常2~3匹といわれていますが、6匹という記録もあります。普段は「グルルルル・・・」と小さい声で鳴きますが、繁殖期には「キャンッ!」と高い声で鳴くようです。子どもが巣立つまでの約40~50日間は、お母さんモモンガが単独で子育てをします。子育て中のお母さんモモンガは巣を離れる時間が短く、食事も近くで済ませるようです。なんだか私たち人間の子育てと似ていますね。

野生動物を守るためにできること
ニホンモモンガに限ったことではないですが、絶滅危惧種が減少している原因には、生息地の減少や乱獲があげられます。さらに、日本の絶滅危惧種は地域ごとの生態情報が乏しいため、どのような保護方法を採るべきか、あるいは積極的に保護してよいのかを判断することが難しい状況です。そのため、野生動物がどこに生息し、どのような生態なのかを把握することが、保護への重要な第一歩となります。
やまがたヤマネ研究会では、山形県に生息する野生動物を守るため、地域住民の協力を得ながら生態や生息環境の調査を行っています。野生動物の保護が進み、その成果が目に見えるようになるまでには長い時間がかかりますが、現在取り組んでいる活動の積み重ねが、やがて大きな成果につながることを願っています。









