サステナビリティ
SUSTAINABILITY
人財
考え方・方針
宝グループでは、人材は経営上の重要な資本であり「財産」であるとの視点に立ち、「人財」と表現します。企業は社員一人ひとりが集まって成り立つ組織であり、人財の総合力が企業の持続的な成長と発展の源泉であるとの考えから、さらなる企業価値の向上とグループの成長を実現するためには、人財への投資により個人や組織の能力を最大限に引き出すことが欠かせないと考えています。
仕事のやりがいや働きがいのある職場、人を育む風土づくりを進めるとともに、グループの次世代を担う人財やグローバルな事業成長を実現する人財の育成、並びに多様な人財の活躍を実現してまいります。
目標
取り組みテーマ | 具体的施策 | 目標 |
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人財育成 | 次世代を担う人財育成策の実施 |
【グループ全体】 経営幹部候補育成研修、次世代リーダー育成研修等を通じてグループの次世代を担うことのできる人財を育成する。 |
グローバルな事業成長を実現する人財(グローバル人財)の育成 |
【グループ全体】 継続的なキャリア採用による人財獲得と若手社員の宝酒造インターナショナルグループへの配置および海外赴任を含むジョブローテーションによってグローバルな事業成長を担うことのできる人財を育成する。 |
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研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」を活用した人財育成 |
【グループ全体】 グループ共通の価値観である「TaKaRa Five Values」を共有するために、グループ全社員を対象とした「歴史記念館見学研修プログラム」を継続実施する。 |
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多様な人財の活躍推進 | 女性の活躍推進 |
【グループ全体】 ・女性役職者数を増加させる。 国内において女性活躍推進法行動計画※に基づいた取り組みを継続するとともに、特に宝HLD、宝酒造、宝酒造インターナショナルの3社については、2021年度から2030年度末までに50人以上(2021年4月1日時点の女性役職者数39人の128%以上)の新任女性管理職、新任女性課長補佐を登用(中途採用による登用含む)する。 ・定年後再雇用により70歳までの就業機会を提供する。 ・障がい者雇用率を国内の法定雇用率以上に維持する。 ・多様な人財の獲得に向けた中途採用のさらなる活用を進める。 ※参考:主要会社の女性活躍推進法行動計画における主な目標 【宝HLD・宝酒造・宝酒造インターナショナル】 ・事務系、技術系の新卒採用者に占める女性比率:40%以上 ・女性管理職比率(2025年度末までに):10%以上 【タカラバイオ】 ・女性育児休職(1年)からの復職率:50%(職場への早期復職) |
シニア人財の活躍推進 | ||
障がい者雇用の推進 | ||
快適な職場環境とワークライフバランスの実現 | 職場の安全衛生確保 |
【グループ全体】 ・総労働時間数を2020年度実績比で削減する。(国内グループ会社※) ・有休取得率(取得日数)を2020年度実績比で向上させる。(国内グループ会社) ・育児休職からの復職率100%を維持する。(国内グループ会社) ・在宅勤務制度の効果的な活用を進める。 |
労働関係法令の遵守 | ||
長時間労働の防止 | ||
多様な働き方の推進 |
- ※ 国内グループ会社:宝HLD、宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオ、川東商事、トータルマネジメントビジネス、タカラ物流システム、ティービー、タカラ物産、ラック・コーポレーション、東京共同貿易、タカラサプライコミュニケーションズ(旧大平印刷、旧タカラ容器)
関連するSDGs
取り組み
人財育成
次世代を担う人財育成策の実施
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナルでは、階層別研修に加え、40代を中心とする管理職を対象にした経営幹部候補育成研修や工場の職場リーダー育成研修など、グループの次世代を担う人財を育成するための取り組みを進めています。 2023年度からは、事業場長クラスおよびプレマネジメント層を対象としたマネジメント力強化研修を開始するなど、今後も、事業成長において強化が必要な階層の人財育成施策を拡充するとともに、社員の主体的な学びの機会を提供することで、将来にわたってグループを支える人財の育成に取り組んでいきます。
グローバルな事業成長を実現する人財の育成
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナルでは、継続的なキャリア採用と新卒採用によりグローバルな事業成長を実現する人財の獲得を目指しています。人財育成の取り組みとしては、若手社員の宝酒造インターナショナルへの配属や海外赴任などのジョブローテーションを通じた育成を柱に、語学学校への通学支援やオンライン英語レッスンの受講支援をはじめ、グローバルなビジネスに必要な語学スキルを習得するための学習機会を提供しています。また、社員の海外赴任時には、語学スキル習得支援に加え、海外で生活するための心構えや赴任国の生活習慣などを学ぶプログラムを実施し、海外赴任者をサポートしています。 社員の主体的な学びに対する学習支援施策としては、語学系講座に関する通信教育の複数受講を認めているほか、全社員に対してTOEIC®の団体受験機会を提供するとともに、国内で勤務する社員と海外グループ社員との交流プログラム“グローバルカフェ”を定期的に開催するなど、グローバルな事業展開を積極的に推進していくための社内風土を醸成しています。
研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」を活用した人財育成
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当社創立90周年事業の一環として、創業の地である京都市伏見区竹中町に国内外のグループ社員を対象とした研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」 を2017年3月に開館しました。1842年に酒造業から始まった宝グループの事業領域は、現在、バイオ事業、海外日本食材卸事業にまで拡がり、また地域的にも、欧米・アジア・オセアニアで積極的に事業活動を展開しており、人財も多様化しています。同記念館では、グループの一体感とチャレンジする精神を醸成し、グループ共通の価値観である「TaKaRa Five Values」を共有するために、グループ全社員を対象とした「歴史記念館見学研修プログラム」を実施しています。2023年度については496名が受講し、2017年度からの累計受講者数はのべ3,474名となりました。今後も、企業価値の向上に邁進する風土を醸成するとともに、将来にわたってグループを支える人財の育成に取り組んでいきます。
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宝ホールディングス歴史記念館
〇人財育成・研修体系

多様な人財の活躍推進
女性の活躍推進
宝グループでは、女性のさらなる活躍推進に向けて「女性活躍推進法」に基づく行動計画に沿って各社で取り組みを進めています。宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナルの3社では、女性管理職・課長補佐を対象に、仕事とライフイベントを両立しながらキャリアアップを図ることを目的とした研修を実施しているほか、女性社員を部下に持つ上司を対象に、女性がより意欲的に働くことができる環境づくりを目指すための研修を実施しています。中長期的な目標としては2030年度までに新たにのべ50名以上の新任女性管理職・課長補佐を登用する計画で、2024年4月までにのべ35名を登用しました。なお、女性管理職比率は2024年4月時点で8.6%となっており、2025年度末までに10%以上とする計画です。
シニア人財の活躍推進
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオでは、定年後再雇用制度により60歳の定年以降も希望者全員が65歳まで働くことができる環境を整えています。定年後再雇用となった社員は、宝ホールディングス・宝酒造・宝酒造インターナショナル合わせて過去3年(2021年度~2023年度)で77%、タカラバイオでは86%です。 また、70歳までの就業機会確保措置の取り組みとして、宝ホールディングス・宝酒造・宝酒造インターナショナルでは、70歳までの継続雇用制度を2022年10月から、タカラバイオでは2023年4月から導入しています。
障がい者雇用の推進
障がい者の雇用にあたっては、職業能力の把握、障がい者の特性に応じた職域の確保・開発、職場環境の改善など を通じて障がい者がその能力を十分に発揮できる職場を確保しています。さらに、障がい者が健常者とともに職業 生活に参加し、働く生きがいを見出せる環境づくりに取り組んでいます。
なお、2024年4月1日現在の障がい者雇用人数は、宝ホールディングスでは10名(法定雇用人数7名・雇用率3.12%)、宝酒造では37名(法定雇用人数29名・雇用率2.92%)、タカラバイオでは21名(法定雇用人数20名・雇用率2.56%)となっています。
快適な職場環境とワークライフバランスの実現
職場の安全衛生と従業員の健康保持・増進
宝グループでは、労働災害ゼロを目指し、安全で衛生的な職場環境の整備に努め、安全・衛生に関する法令を遵守しています。万一、業務上の災害が発生した場合は、事故を最小限に止め、再発防止策を行うとともに、即時、報告書作成、届出など所定の手続きを実施しています。 従業員の健康保持・増進の取り組みとしては、法令に基づいた健康診断の実施に加え、毎年実施する「ストレスチェック」において高ストレスと判定された社員が希望した際は、産業医との面談を実施し、就業上の措置が必要と判断された場合にはその内容に従って対応するなど、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みを行っています。また、ストレスチェック結果に基づく集団分析により、各組織におけるストレス状況の把握に努め、必要に応じて職場環境の改善を図っています。今後も産業医や宝グループ健康保険組合と連携を図りながら、従業員の健康リスク低減に取り組んでいきます。
労働関係法令の遵守
宝グループでは、労働関係法令を遵守し、働きやすい職場の維持に努めています。管理者に対しては、労働基準法の定めに従って勤務日や勤務時間の管理を徹底し、過度な労働、残業を強いるような業務の押し付けや強制労働を禁止するとともに、部下の心身の健康状態に常に留意するよう徹底しています。また、採用時における年齢確認の徹底等により児童労働の発生を防止するとともに、法定最低賃金を遵守しています。
長時間労働の防止
長時間労働による健康障害防止の観点では、月60時間を超える所定外労働および日曜出勤の原則禁止、上司による所定外労働時間管理の徹底のほか、各事業場の管理担当者や人事部でも月の半ばで進捗を確認する体制をとっています。36協定における1ヵ月の最大の延長時間も75時間で設定しており、1週当たり40時間を超える時間外・休日労働が月80時間を超えることがないようグループ内で徹底し、過度な労働時間の削減に取り組んでいます。
海外赴任者の健康管理
海外赴任者については、赴任前および帰任後の健康診断を義務づけるとともに、赴任後も原則として年1回の健康診断を実施しています。また、アジア圏への赴任に際して、破傷風や狂犬病等の予防接種を受診する場合には会社負担にて実施しています。
健全な労使関係
宝ホールディングスでは、TaKaRa労働組合と労使の信頼を基盤に健全な労使関係を構築しています。労使協議会や各種労使専門委員会を開催し、経営内容に関する報告や労働条件について定期的に協議しています。
多様な働き方の推進
宝ホールディングス・宝酒造・宝酒造インターナショナルにおいては、仕事と家庭の両立支援の取り組みとして、育児・介護従事者に限定していた在宅勤務制度を、工場現場の社員など業務上出社が必要な社員を除く全社員を対象としています。在宅勤務実施日の年次有給休暇の取得については、多様な働き方を推進するため、半日単位での取得に加え、時間単位で取得できるよう制度を拡充しました。また2024年4月より、不妊治療と仕事の両立を支援する仕組みとして積立有給休暇の取得要件を拡大するとともに、積立有給休暇の半日単位での取得を可能とする運用を開始しました。
男性の育児休職取得促進
宝グループでは、「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画に沿って各社で取り組みを進めています。宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナルの3社では、育児休職の取得水準維持・向上を目指し、「育児休職からの復職率100%」と「男性社員の育児休職取得率30%以上」を目標に掲げて取り組みを進めています。 2023年度は、男性社員への個別周知・意向確認の面談の早期実施や面談後フォローに加え、人事部内に全社相談窓口を設置するなど、育児休職を取得しやすい環境の整備を進めたことなどにより、男性の育児休職取得率は84.2%となりました。
従業員エンゲージメントの向上
エンゲージメント調査による現状把握と向上への取り組み
宝グループのVision実現に向けて、従業員一人ひとりが組織の目標やビジョンを理解、共感し、多様な力を結集しながら、自発的に力を発揮することにより、組織としての実行力を最大化することが必要です。従業員エンゲージメント向上などのやりがいの醸成が、生産性の向上やイノベーションの創出には欠かせないことから、2023年より従業員エンゲージメント調査を実施しています。 調査の実施にあたっては、当社の状況をより正確に把握するため、外部専門家の協力の下、「会社」「職場」「上司」「仕事」「制度」の5つの指標を用いた独自の調査を設計しました。調査の分析結果から見えた課題については、役員を含めた全従業員で共有を図った上で、全社で進めている風土革新のプロジェクトによる取り組みやキャリア開発支援の強化を通じて従業員エンゲージメントのさらなる向上を目指します。