サステナビリティ

SUSTAINABILITY

生物多様性への取り組み

生物多様性への考え方

穀物や水、微生物といった様々な自然の恩恵のもとで事業活動を行う宝グループにとって、豊かな自然環境が保たれることは事業を継続するうえでの大前提です。宝グループでは、地球環境の保全と事業活動の調和を経営の重要課題のひとつとし、「宝グループ環境方針」を策定しました。「宝グループ環境方針」の中では、「生物多様性や生態系の保護・保全に関わる活動の推進・支援」を重点的な取り組みとして位置付けています。宝グループではこの方針に則り、事業における様々な場面で生物多様性の保全に努めるとともに、外部の団体とも連携しながら、豊かな自然環境の保全を行っています。

宝グループのこれまで

1979年、宝酒造は「カムバック・サーモン・キャンペーン」として、戦後の高度成長期に伴う環境への影響で途絶えたサケの回帰を取り戻す運動を支援しました。この活動を皮切りに、全国の自然を守る取り組みや支援を実施しています。

創立60周年を迎えた1985年には、“自然と社会と人間との調和”をめざす企業理念を制定し、自然を重んじた宝グループの存在意義を唱えました。

さらに、1998年には現在のサステナビリティ報告書の役割を担う、環境報告書「緑字決算報告書*」の初刊を発行し、「ECO」という統一指標を用いて環境活動の成果を社外へ公表しました。その翌年には、「自然保護活動の社会貢献への努力」を誓い、環境活動の基本理念を制定しました。その後、現在に至るまで、生物多様性保全に向けた多くの活動を継続し、事業を通じた社会課題解決に努めています。

  • *緑字企業報告書は2018年より宝グループレポート(統合報告書)として発行しています。

「カムバック・サーモン・キャンペーン」ポスター

生物多様性保全の取り組み

宝グループでは、生物多様性の保全に向け、外部団体や個人への支援のほか、子供たちを対象とした体験学習を実施しています。また、自然環境に配慮した商品開発も行っています。ここではそれらの取り組みを紹介します。

タカラ・ハーモニストファンド

宝ホールディングスは、1985年の創立60周年を機に公益信託「タカラ・ハーモニストファンド」を設立し、以来毎年、生物多様性の保全をはじめ、豊かな自然環境を維持するための活動、研究に助成しています。39年間の助成先の件数は延べ422件となりました。
日本の森林・草原や水辺の自然環境を守る活動や、そこに生息する生物を保護するための研究、全国の自然保護団体などに対して助成をすることで、助成者の活動の幅を広げ、生物多様性保全の推進に貢献しています。

また、助成後に助成先を訪問し、活動状況や成果を当社ホームページで紹介することで、認知拡大を進めています。

田んぼの学校

宝酒造では、次世代を担う子どもたちに自然環境や生物多様性を守ることの大切さや、自然の恵みのありがたさを伝えることを目的として、2004年より、環境教育プログラム・宝酒造「田んぼの学校」を開催しています。小学生とそのご家族を対象に、京都府南丹市の田んぼで、稲作体験や自然観察の授業を年3回にわたって行っています。
自然観察の授業では、子どもたちが田んぼの周りや里山で、普段目にすることのない生物や植物を観察します。田んぼや里山の豊かな自然に触れることで、生物の大切さや、自然の大切さを体感することができます。

商品

松竹梅白壁蔵「然土」

「然⼟」を造るための⼭⽥錦を育てるにあたって、⻄脇市の圃場では、生態系の維持のためにも、温室効果の⾼いメタンガスの発生抑制や減農薬に取り組んでいます。お米はさまざまな生物と共存しながら作られており、いかに共存していくかが課題です。

寶CRAFT<京檸檬>

寶CRAFT<京檸檬>は、生産者・加工者・販売者が一丸となって、京都における耕作放棄地を京檸檬栽培のために有効利用し、栽培した「京檸檬」の果皮などを活用した壜入りチューハイです。耕作放棄地を再生し、生物資源の生息環境を整備することは、その地域の生物多様性保全につながります。また、売上の一部を寄付したり、社員による収穫ボランティアを行ったりすることで、栽培の安定・拡大を支援し、持続的な自然の豊かさの保全に貢献しています。