ホーム > ニュース > 2016年6月6日

自然環境保全の推進に貢献する「公益信託タカラ・ハーモニストファンド」
平成28年度(第31回)の助成先決定
~11件、助成金額総額505.2万円~

助成先 一覧>>ファンド概要>>助成実績>>

自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された公益信託タカラ・ハーモニストファンドの平成28年度の助成先が、運営委員会の審査を経て、このほど別表の通り決定しました。

本年度の助成先は、団体、個人あわせて11件で、助成金額合計は505万2千円です。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドは、1985(昭和60)年に宝ホールディングス(当時は寳酒造)の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって自然環境保全に関する研究・活動への助成を長きにわたって続けています。31年間の助成先はのべ333件、助成金累計額は1億5973万1千円となりました。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドの助成先の研究・活動エリアはこれまでに45都道府県に及び、全国各地に広がっています。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境保全の推進に貢献してまいります。

2016年度 タカラ・ハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先

助成額
活動地域

テーマ
活動・研究の内容、目的、助成金の用途等




龍谷大学理工学部
環境ソリューション工学科
代表者:山中 裕樹

50万円
滋賀県

琵琶湖水系のウナギはどこに?環境DNA分析でその分布を探る
近年、ニホンウナギは養殖用の種苗となるシラスウナギの漁獲量が激減しており、日本での過剰な消費が国際的な非難の的となっている。その需要の高さとは裏腹に、本種の天然水域における分布のパターンや季節的な生息地の変化等には驚くほど不明な点が多い。本研究では本種の水産資源管理に必要な基礎情報として、A)水産資源として消費される親魚の琵琶湖および接続河川内での分布と、B)その季節変化、そしてC)天然シラスウナギの海からの季節的な加入状況を明らかにする。本種の河川内での生息密度は相当に低いことが考えられるため、高感度で水棲生物の生息状況を調査できる環境DNA分析を用いて分布調査を行う。

福島大学
環境放射能研究所
代表者:奥田 圭

50万円
栃木県

防鹿柵の効果はいかに?なぜ地上営巣性鳥類は防鹿柵を設置しても回復しないのか
栃木県奥日光では1990年代前半からシカの増加によってササ類の貧弱化やそれに伴う地上営巣性鳥類の減少などの森林生態系への影響が顕在化した。そのため、当地域では、1997年に大規模な防鹿柵(約90 ha)を設置し、柵内の生態系の回復を図った。その結果、柵設置から約20年が経過した現在、柵外ではササ類がほぼ消失したが、柵内ではササ類が繁茂し、外観的にはシカが増加する以前と同様の林床環境となっている。しかしながら、ササ林床を主な営巣場所とする地上営巣性の鳥類はいまだに再定着できていない。そこで本研究では、なぜ地上営巣性の鳥類が柵内に定着できないのか、その要因を検討することを目的とする。

森井 清仁(個人)

50万円
滋賀県

絶滅が危惧される琵琶湖固有スジシマドジョウ2種の繁殖生態と保全手法に関する研究
オオガタスジシマドジョウ(以下、オオガタ)とビワコガタスジシマドジョウ(コガタ)は、近年新種として記載された琵琶湖固有種である。しかし、両種ともに環境省および滋賀県のレッドデータブックで絶滅危惧IB類と絶滅危惧種にそれぞれ指定されている。特にコガタの生息域は琵琶湖西岸北部にほぼ局限されており、本種の保全は喫緊の課題である。本研究では、両種が出現するビオトープ池において、両種の繁殖生態を把握することを目的とする。特に、繁殖地の減少や現代的な農事暦が、両種に同所的な繁殖を強制しており、このことがコガタの再生産を妨げていることを示し、両種の保全に対し実効的な方策を提言することを目指す。

和歌山県立田辺高等学校・中学校
生物部
顧問:土永 和子

50万円
和歌山県

和歌山県田辺市の変形菌類
変形菌類の研究で草分け的存在であつた博物学者、南方熊楠が後半生を送つた和歌山県田辺市の社寺林や森林において、和歌山県立田辺高等学校・中学校生物部の生徒と顧間によって変形菌類の調査を行う。採集した変形菌類の標本を作成し、日本変形菌研究会の指導によつて同定するとともに、その森林の植物生態調査も行い、全天球カメラによる森林の様子の撮影を行う。それらを基に、南方熊楠生誕150周年にあたる2017年に、田辺市で開催される第9回国際変形菌類分類学生態学会議で発表するための資料を作成する。国際会議で、生徒による発表を行うことによつて、田辺市の変形菌類の豊かさを示し、自然環境の保全に役立てる。

佐鹿 万里子(個人)

50万円
北海道

外来種アライグマと在来種タヌキの競合関係解明に関する研究
外来種アライグマが日本に定着してから30年以上が経過し、在来種への影響が危惧されているが、アライグマとの競合が懸念されているタヌキの調査は進んでいないことが現状である。タヌキは日本ではなじみ深い動物であるがゆえに、その生態学的研究はほとんど行われていないが、近年、日本産タヌキは大陸産タヌキとは異なる固有種であることが報告され、貴重な動物であることが判明した。そのため今後、アライグマの影響によって日本産タヌキが減少してしまうと、生態系への影響が懸念される。そこで本研究では、タヌキに対するアライグマ定着の影響を、生態学的観点から評価し、在来動物および在来生態系の保全につなげることを目的とする。

奥多摩ツキノワグマ研究グループ
代表者:山﨑 晃司

50万円
東京都

ツキノワグマの糞に含まれる漿果種子の二次散布機構の解明
ツキノワグマは植物食に偏った雑食性であり、糞には大量の漿果種子が発芽可能な健全な状態で含まれる。しかし糞に含まれる種子は,齧歯類により持ち去されたり、糞虫によって地中へ移動等をされたりすることでさらに発芽の可能性が高まることがわかっている。こうした種子の二次散布は、齧歯類や糞虫だけではなく、日本の森林に生息するその他の動物種によっても行われるていると想像できるが、その機構は解明されていない。本研究ではツキノワグマから始まる多様な動物(特に哺乳類と鳥類)を介した種子散布機構を明らかにし、ツキノワグマが森林の更新にどのように貢献しているかを解明することを目的とする。研究成果は調査地域の森林の多様性を担保するための、保全施策を検討する上での貴重な情報となることが期待できる。




NGOさんきら自然塾
代表者:水本 孝志

47万円
愛媛県

国際的な渡りと緑の回廊;佐田岬半島SOS生物保全プロジェクト2016
四国最西端に在って四国~九州を最短距離で結び、1日5万羽のヒヨドリやハチクマ等の野鳥は勿論、美蝶アサギマダラなど昆虫類の<国際的な渡りの回廊>と称される佐田岬半島は、四国で唯一、北に瀬戸内海、南に宇和海という気候の違う2つの海を抱き、北方系と南方系植物が生育し、まさに<生物の多様性>が自慢。しかし、半島中心部の伊方原発、58基もの大型発電風車、広大なメガソーラー等の建設に伴い、素晴らしい生態系もSOSを発信中・・・この自然界の<声無き声>を、約90種の環境指標生物に託した図鑑を作成し、配布を兼ねた各種ネイチャリングによって、郷土愛に満ちた<身近な生物保全活動>に挑戦する。

ポレポレ自然環境観察会
代表者:五十嵐 進

50万円
石川県

能登半島・九十九湾周辺でのアカテガニの森づくり・環境保護活動
平成23年6月、日本で初めて世界農業遺産に認定された能登半島では、依然として少子高齢化に伴う過疎化によって、里海の森や農地の荒廃も進んでいおり、能登半島国定公園内の九十九湾周辺の森に群生するアカテガニの生息環境も悪化している。そこで、能登町にある「のと海洋ふれあいセンター」と連携して、九十九湾周辺での水溜りの整備、散策路や森林の下草刈り等、アカテガニの暮らしやすい森づくりと都市部でのアカテガニの親子観察会のPRを支援するほか、アカテガニの生態を紹介する小学生向けの手作りリーフレットを作成する。

めぐみ野自然の会
代表者:豊田方 威

18.2万円
東京都

ビオトープと雑木林の保全活動
由木めぐみ野団地にある由木めぐみ野公園は、ビオトープ環境を持つ公園として造成されましたが、その後手入れが十分に行われず、荒れた藪と化してしまいました。また隣接するめぐみ野緑地も雑木林が荒れ果て、湧水が流れる「せせらぎ」も劣化が進んでいました。そこで住民の手で保全活動を行うことを目的に当会を結成し、草刈り、泥さらい、剪定、間伐、落ち葉掃除、その他清掃活動を行います。また、地域住民にこれらの環境の大切さを知ってもらうため、広報活動やイベント活動も行います。そして学生ボランティア団体を受入れ、彼らの活動場所の提供や指導を行うことも目的とします

真庭遺産研究会
代表者:澤本 晴視

50万円
岡山県

オオサンショウウオの王国を守ろう!生物多様性ツーリズム事業
生きた化石と呼ばれる特別天然記念物オオサンショウウオの日本最大の生息地である真庭市北部地域において、地域住民と環境NPO、研究者が連携し、地域によって固有の生態をみせるとされるオオサンショウウオの生息状況や繁殖環境を調査研究し、謎とされる真庭地域での生態を把握するとともに、個体保護および生息地・繁殖地の環境保全活動に取り組む。あわせて、オオサンショウウオを地域資源として、生物多様性について学ぶエコツーリズムや自然学校事業を推進し、荒廃が進む中国山地の山村地域の活性化と自然環境・生物多様性の保全をはかる。

NPO法人 おおのの風
代表者:坂 史朗

40万円
広島県

ふるさとの永慶寺川を元気に!~地域の子どもたちの未来のために
廿日市市大野地区に源流を発し大野瀬戸に注いでいる永慶寺川は、古くから地域の良田を潤し、暮らしや産業用の水として利用されてきました。 しかし、近年になって宅地化が進み河川環境が悪化し、夏の風物詩のホタルの飛翔が見られなくなりました。私たちは、ホタルの増殖に努めています。また、将来的にもホタルやその他の生きものたちがたくさん棲めるような元気な永慶寺川にするために河川の清掃美化活動や草刈、子どもたちの自然体験や遊びを通した川の環境を学ぶ活動と小学校における総合的な環境学習に取り組むなど、地域と未来の子どもたちのために良好な自然環境を整備を続けてまいります。地域全体に広げたり、学習のための自然ビオトープを作ったりするためには、助成を受けて、この活動を継続させなければならいと考えています。

 

助成総額

505.2万円

 



公益信託タカラ・ハーモニストファンド概要

【名称】

 公益信託タカラ・ハーモニストファンド

【設立趣旨】

 緑と水に恵まれた良好な自然環境の保全および創出に寄与する。

【委託者】

 宝ホールディングス株式会社

【受託者】

 みずほ信託銀行株式会社

【拠出信託財産】

 3億円

【設立時期】

 1985(昭和60)年10月

【主務官庁】

 環境省

【事業】

  • ・日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

 前田 達明   京都大学名誉教授

【運営委員長】

 八木橋 惇夫 元環境事務次官

【運営委員】

 布谷 知夫  三重県総合博物館館長
 沢田 裕一  滋賀県立大学名誉教授
 斎藤 清明  総合地球環境学研究所教授
 鹿野 久男  元財団法人国立公園協会理事長
 遊磨 正秀  龍谷大学理工学部教授
 中尾 大輔  宝ホールディングス株式会社取締役
        宝酒造株式会社代表取締役副社長
 鷲野 稔   宝ホールディングス株式会社取締役
        宝酒造株式会社取締役



助 成 実 績

年度

助成件数

助成金合計(万円)

1

1986年

7

405

2

1987年

9

500

3

1988年

10

500

4

1989年

12

580

5

1990年

12

600

6

1991年

15

700

7

1992年

12

500

8

1993年

11

620

9

1994年

10

500

10

1995年

12

600

11

1996年

11

502

12

1997年

11

468

13

1998年

10

500

14

1999年

11

500

15

2000年

11

500

16

2001年

11

500

17

2002年

12

500

18

2003年

10

500

19

2004年

11

550

20

2005年

11

500

21

2006年

11

500

22

2007年

10

500

23

2008年

10

500

24

2009年

10

498.9

25

2010年

11

486

26

2011年

10

498.4

27

2012年

10

496.7

28

2013年

10

487.4

29

2014年

11

480.8

30

2015年

10

494.7

31

2016年

11

505.2

合 計

333

1億5973.1万円