自然環境保全の推進に貢献する「公益信託タカラ・ハーモニストファンド」
平成27年度(第30回)の助成先決定
~10件、助成金額総額494.7万円~

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自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された公益信託タカラ・ハーモニストファンドの平成27年度の助成先が、運営委員会の審査を経て、このほど別表の通り決定しました。

本年度の助成先は、団体、個人あわせて10件で、助成金額合計は494万7千円です。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドは、1985(昭和60)年に宝ホールディングス(当時は寳酒造)の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって自然環境保全に関する研究・活動への助成を長きにわたって続けています。30年間の助成先はのべ322件、助成金累計額は1億5467万9千円となりました。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドの助成先の研究・活動エリアはこれまでに45都道府県に及び、全国各地に広がっています。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境保全の推進に貢献してまいります。

平成27年度 タカラ・ハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先

助成額
活動地域

テーマ
活動・研究の内容、目的、助成金の用途等




「人と海鳥と猫が共生する天売島」連絡協議会

50万円
北海道

天売島の海鳥保護を目的としたノラネコ対策の実施 天売島は、絶滅危惧種のウミガラスやケイマフリなどを含む8種類約100万羽の海鳥の繁殖地であり、「人と海鳥が共生する島」として知られている。
近年ノラネコが増加し、海鳥のヒナや卵の捕食・繁殖地の攪乱などにより、天売島の生態系に影響を及ぼしている。そこで、ノラネコがいない天売島を目指した具体的な取り組みを行う。

十和田湖自然ガイドクラブ

50万円
青森県

休屋杉並木保全活動 十和田湖湖畔にある休屋地区の中央部には、江戸時代に植えられたとされる樹齢約250年の見事な杉が生育し、この十和田神社へと続く参道沿いの杉並木は休屋地区の重要な自然資源となっている。しかし根の露出、根元の固化、並木内のゴミ等の埋設投棄など杉の生育環境は良好ではなく、倒木も危惧されるなど荒廃が進み、自然景観としても好ましくない。歴史的にも貴重な杉並木を健全な状態に再生し、休屋地区の自然資源を将来に引き継ぐため、地元住民団体との協働による保全活動を行う。

NPO法人 三番瀬環境市民センター

50万円
千葉県

三番瀬を里海として保全・再生するための調査活動 干潟などの沿岸域は「里海」と呼ばれ、漁業をはじめとする人間の活動で自然環境を維持してきた。東京湾の最奥部に位置する三番瀬では、埋め立てなどの開発により環境が大きく変化し、干潟の生物多様性は質・量ともに劣化している。しかし、過度な開発行為の反省から「自然には手を入れるべきではない」「自然にまかせるべき」と考え、漁業者が漁場改良のために行う耕耘(こううん)などの保全活動を良しとしない地元市民が多い。大昔から人間が行ってきた潮干狩り(干潟の耕耘)が、干潟の底質や生物にどのような変化をもたらすのか、市民参加型で実験・調査を行う。

北野 大輔(個人)

50万円
滋賀県

滋賀県の内湖における侵略的外来生物駆除および在来魚のモニタリング かつて、滋賀県の琵琶湖周辺には数多くの内湖が存在し、希少在来魚が多く生息し、その繁殖の場であった。現在、内湖の多くは環境悪化や外来種の侵入により、以前の環境を失いつつある。滋賀県彦根市に位置する琵琶湖の内湖「神上沼」は、滋賀県立大学の学生団体による外来魚駆除が行なわれ、ホンモロコやニゴロブナ、ワタカなど希少在来魚類の生息が確認されている。しかし、侵略的外来種であるオオクチバスやブルーギルも多く生息しており、希少在来生物の生息が脅かされている。そこで、さまざまな手法から侵略的外来生物の駆除を行ない、その個体数を低密度に保つとともに、希少在来生物の個体数増加をめざす。

足摺宇和海国立公園大月地区パークボランティアの会

50万円
高知県

サンゴ保全にかかる普及啓発及び調査活動 高知県大月町沿岸は、足摺宇和海国立公園の海域公園地区にも指定されている貴重なサンゴ群生地である。「大月地区パークボランティアの会」は豊かな海中景観の魅力を伝え、かつ安全に楽しめるようにスノーケリング指導やガイド活動などの海の自然解説活動を行っている。また、地元の海洋生物の研究機関と協同したサンゴ保全活動(オニヒトデやシロレイシガイダマシなどのサンゴ食害生物の効果的な駆除、サンゴの移植やモニタリング活動など)を実施している。

研究会はたのおと

50万円
高知県

小さな自然再生:流域の土と木で生態ネットワークを回復 堰堤による分断化が進んだ小河川(土佐清水市;三崎川)において、魚類やエビカニ類等の移動を回復させることを目的として、堰堤に手作り魚道を期間設置し、モニタリング調査を毎月継続実施する。これまでの試行型魚道の設置により、事業が順調に進むことがわかったため、次は改良型魚道を設置する。モニタリング調査や手づくり魚道の設置など、すべてを市民主導・行政連携というスタイルで実践することにより、一般の方の川への興味を上昇させるとともに、魚道効果を定量的に把握し、試行錯誤と情報公開を行なうことで、これまで注目されてこなかった小河川における生物多様性の保全につながることが期待される。

NPO法人 いけま福祉支援センター

50万円
沖縄県

池間湿原の保全・再生へ向けた鳥瞰・虫瞰調査 池間島の中央に位置する池間湿原(イーヌブー)は、かつて島民の豊かな食糧庫として活用され、近年では貴重な渡り鳥の飛来地として注目を集めいている。しかし、急速な陸地化が進行しており、湿原の保全が焦眉の課題となっている。昨年、環境省および総務省の事業により小規模の浚渫工事を行い、島民、とくに子どもたちが湿原(水面)にアクセス可能となったが、今後どのように湿原を保全・再生させていくか、島民を中心に議論を重ねていかねばならない。本活動は、基礎的資料を収集するため、生物面および陸地化の進行状況にかかる調査を、住民自らの手で行うことを目的とする。




NPO法人 富士山自然センター

50万円
山梨県

富士山梨ヶ原の絶滅危惧動植物に地質や土地利用が及ぼす影響に関する研究 近年全国的に産業構造や生活様式の変化に伴い里山草原環境が衰退しており、そこに生息する絶滅危惧動植物の分布地と個体数が急激に減少している。これは富士山麓でも同様である。このような里山草原環境を維持するには、火入れや草刈りなど、人が手を加えて植生遷移を止める必要がある。そこで火入れが行われている広大な草原である梨ヶ原の中でも絶滅危惧草原性動植物が最も豊富に確認されている鷹丸尾溶岩地帯とその周辺で、絶滅危惧動植物の分布と個体数を調査し、それに地質や雪代などの自然作用、火入れや草刈りなどの人為作用がどのように影響しているかを調べることで、草原性絶滅危惧動植物の保全策の策定に役立てる。

畠 佐代子 (個人)

50万円
滋賀県

 水田地帯に生息するカヤネズミの食性に関する研究 オギなどのイネ科草本で営巣し子育てをするカヤネズミは、良好な水辺と草地環境の指標種とされるが、生息環境の悪化で近年個体数の減少が著しい。水田にも営巣するが、被害は軽微であり、イネに混生する雑草の種子や昆虫を好んで食べる。だが農家にとっては「ネズミ=害獣」であり、正しい理解が進んでいない。そこで、本種の保護と水田生態系の多様性保全に資すること目的として、本種が希少種に選定される滋賀県彦根市で、水田に架けられた巣内の糞からDNAを採取して食性を分析し、本種の生息と水田の環境特性との関わりを明らかにするとともに、研究成果をわかりやすくまとめたリーフレットを作成し、知識の普及に役立てる。

松本 清二 (個人)

44.7万円
奈良県

奈良県を中心とした紀伊半島におけるオオサンショウウオの生息調査 オオサンショウウオは日本の固有種で、岐阜県以西の本州、四国、九州の一部の河川に生息する。特別天然記念物、絶滅危惧種Ⅱ種、奈良県では注目種に指定されている。2012年8月奈良県御所市の曽我川支流で全長130cm、体重10kgの1個体が採集され、現在橿原市昆虫館で飼育されている。奈良県では木津川水系宇陀川での生息が知られており、それ以外での本種の公式な生息確認は初めてである。そこで、奈良地域の生息調査を行い生息分布を明らかにし、本種の未調査域になっている紀伊半島のデータ収集に努める。

 

助成総額

494.7万円

 

公益信託タカラ・ハーモニストファンド概要

【名称】

公益信託タカラ・ハーモニストファンド

【設立趣旨】

緑と水に恵まれた良好な自然環境の保全および創出に寄与する。

【委託者】

宝ホールディングス株式会社

【受託者】

みずほ信託銀行株式会社

【拠出信託財産】

3億円

【設立時期】

1985(昭和60)年10月

【主務官庁】

環境省

【事業】

  • ・日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

前田 達明
京都大学名誉教授

【運営委員長】

八木橋 惇夫
元環境事務次官

【運営委員】

布谷 知夫
三重県総合博物館館長
沢田 裕一
滋賀県立大学名誉教授
斎藤 清明
元総合地球環境学研究所教授
鹿野 久男
元財団法人国立公園協会理事長
遊磨 正秀
龍谷大学理工学部教授
中尾 大輔
宝ホールディングス株式会社取締役
宝酒造株式会社代表取締役副社長
鷲野 稔
宝ホールディングス株式会社取締役
宝酒造株式会社取締役

助 成 実 績

年度

助成件数

助成金合計(万円)

1

1986年

7

405

2

1987年

9

500

3

1988年

10

500

4

1989年

12

580

5

1990年

12

600

6

1991年

15

700

7

1992年

12

500

8

1993年

11

620

9

1994年

10

500

10

1995年

12

600

11

1996年

11

502

12

1997年

11

468

13

1998年

10

500

14

1999年

11

500

15

2000年

11

500

16

2001年

11

500

17

2002年

12

500

18

2003年

10

500

19

2004年

11

550

20

2005年

11

500

21

2006年

11

500

22

2007年

10

500

23

2008年

10

500

24

2009年

10

498.9

25

2010年

11

486

26

2011年

10

498.4

27

2012年

10

496.7

28

2013年

10

487.4

29

2014年

11

480.8

30

2015年

10

494.7

合 計

322

1億5467.9万円