公益信託タカラ・ハーモニストファンドの平成25年度(第28回)助成先決定
~助成先件数が300件を突破~

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自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された公益信託タカラ・ハーモニストファンドの平成25年度の助成先が、運営委員会の審査を経て、このほど別表の通り決定しました。

本年度の助成先は、団体、個人あわせて10件で、助成金額合計は487万4千円です。これにより発足以来の延べ助成先数は300件を超えました。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドは、1985(昭和60)年に宝ホールディングス(当時は寳酒造)の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって自然環境保全に関する研究・活動への助成を四半世紀以上にわたって続けています。28年間の助成先はのべ301件、助成金累計額は1億4492万4千円となりました。

今回は、東日本大震災の津波被害後の岩手県大槌町において、淡水型イトヨが好む湧水域を調査して地域環境保全活動を通じた復興に貢献することを目指す「淡水型イトヨを守る会」の活動、絶滅危惧種に指定されているコガタノゲンゴロウの動態把握を目指す山口県美祢市の田原義寛さんの研究など全国で10件が選出されました。

公益信託タカラ・ハーモニストファンドの助成先の研究・活動エリアは前年までに44都道府県に及んでいましたが、今年初めて長崎県の「NPO法人奥雲仙の自然を守る会」の活動を助成することになり、45都道府県にまで広がりました。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境保全の推進に貢献してまいります。

平成25年度 タカラ・ハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先名

助成額/対象地域

テーマ/研究・活動の内容、目的、助成金の用途等




十和田八幡平国立公園八幡平地区パークボランティア「ヒナザクラ会」

50万円
岩手県、秋田県

植生回復と荒廃した歩道の補修 八幡平の自然景観を守るため、湿原の植生回復作業と荒廃した歩道の整備作業を八幡沼周辺で継続している。また秋田県鹿角市、岩手県八幡平市の小学生を対象に自然観察会を開催している。
 今後は助成金によって植生回復のための資材を購入し、植生回復・歩道整備の対象エリアををメガネ沼、畚(もっこ)岳周辺へと拡大する。

NPO法人奥雲仙の自然を守る会

47.5万円
長崎県

「生かせいのちの森」自然環境保護・保全活動 「雲仙市の田代原牧場では、かつて約150万本のミヤマキリシマが自生し、地域の人達の憩いの場として賑わっていたが、牧場管理者の高齢化・後継者不足により維持管理が難しくなり、草本類の繁茂やマツ等の樹木の侵入で群落の消滅が進んでる。
 そこで、助成金で備品を購入し、草刈りや侵入樹木の伐採を行うことにより、ミヤマキリシマ群落を回復させ、ミヤマキリシマの景観を楽しめる場所になるように景観づくりを行う。

NPO法人野鳥の病院

50万円
滋賀県

野生動物リハビリテーター養成講座 けがをした野生動物の救護のための的確な行動が出来る「野生動物リハビリテーター」の養成を進めているが、実習を重視していることもあって資金は十分ではない。
 助成金により講習会を開催し、より多数のリハビリテーター養成を目指す。主な対象地域は滋賀県。

淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク

50万円
大阪府

市民参加による淀川のイタセンパラ野生復帰のための環境整備とその普及啓発 イタセンパラは淀川のシンボル・フィッシュと呼ばれているが、外来魚の影響等により野生絶滅に近い状態となっている。
 流域の市民団体,企業、大学サークル、研究機関、行政を結集した市民の手によるイタセンパラの野生復帰を目指し、城北ワンド群における外来魚の駆除などの環境の整備と維持、地域住民への啓発と参加呼び掛けのためのシンポジウムや市民による放流式開催など,放流プロジェクトへの支援・協力を行なっていく。助成金はシンポジウムの開催費用やポスターの制作費等に充てる。

あざおね社中

50万円
神奈川県

カヤネズミ等を指標とした里地里山の生物多様性の調査と自然かんさつ会 麻布大学環境科学科の教員・学生・卒業生と市民が一体となって、準限界集落である相模原市緑区青根の休耕田を水田として復活させ、そこを拠点として環境教育、地域活性化を図っている。
 助成金によって、カヤネズミ、アオガエルなどを指標とした調査を5年間継続的に行い、また地域外の小中高校生が参加できる自然かんさつ会を開催することによって、生物多様性の現状把握とその価値の発信を進めていく。

淡水型イトヨを守る会

50万円
岩手県

津波被災地の大槌町における町民参加の湧水環境調査 大槌町のイトヨは希少であり、また大槌町の成立や生活に深く関係する湧水環境の指標となることから、町のシンボル的存在として天然記念物に指定されている。東日本大震災により被災した市街地中心部では、湧水による水域が増え、津波で上流域から運ばれたイトヨが新たに確認された。
 助成金で測定機器などを購入し、震災によって生じた湧水湿地の湧水状況と生物相の調査を実施し、啓発資料としてまとめ、地域住民による地域環境の保全活動を通じた復興に役立てる。




田原義寛

42万円
山口県

コガタノゲンゴロウを主とした大型ゲンゴロウ類の動態把握と、生息環境整備の模索 美祢市内の水田ビオトープ(水田+土水路+浅い池)で、環境省の絶滅危惧I類に指定されているコガタノゲンゴロウが採集された。コガタノゲンゴロウは、希少種であり、またその生態については未知の部分が大きい。
 本研究では水田ビオトープでの動態を把握するともにに、生息環境整備を行うための基礎データを収集する。また、県内外における分布状況も研究する。助成金は備品購入や交通費等に充てる。

中村雅子

48万円
沖縄県

 沖縄島恩納村沿岸海域における海流によるオニヒトデ幼生輸送パターンの推定 オニヒトデは、サンゴ捕食者で、その異常発生はサンゴ礁生態系への脅威のひとつである。現在、恩納村沿岸では、継続的なオニヒトデ駆除作業にも関わらず小中規模な異常発生がほぼ慢性的に起こっており、これを防ぐためには異常発生メカニズムの解明も欠かせない。
 本研究では、助成金で調査用の船をチャーターし、沖縄島恩納村沿岸域においてどこからどこへオニヒトデので浮遊幼生が分散・加入しているかという過程を推定し、異常発生メカニズムの解明を目指す。

森晃

50万円
栃木県

 河川に降下したナマズ稚魚の移動分散と生息場所の解明 栃木県宇都宮市の水田水域においてナマズの行動を調査して、繁殖水路で稚魚が成長し、7月中旬までに河川に移動することがわかった。しかしナマズは夜行性であることもあって、その後の河川における稚魚の生態は定かではない。
 そこで本研究では助成金によってPITタグ(ICタグの一種)を購入し、稚魚に装着して継続的に追跡することにより、河川における移動分散の範囲や生息条件を把握し、その知見をもとに稚魚の生息に適した河川環境整備、管理の指針を提示する。

満尾世志人

49.9万円
岩手県

 ため池の接続性が魚類の移動及び群集構造に与える影響の解明 ため池に生息する一部の魚類の移動については、移動を行う魚種や関連する環境条件などの研究が全く進んでいない。
 本研究は、岩手県奥州市において、ため池や流入水路での採捕などを行って、移動実態やその関連要因の解明を行い、また移動可能性が池内の魚類群集に与える影響について解明することを目的とする。助成金は交通費や測定機購入などに充てる。

 

助成総額

487.4万円

 

公益信託タカラ・ハーモニストファンド概要

【名称】

公益信託タカラ・ハーモニストファンド

【信託目的】

わが国の自然を形づくる豊かな緑ときれいな水を守ることを中心として、日本の 自然環境の保全の推進に寄与することを目的としています。

【委託者】

宝ホールディングス株式会社

【受託者】

みずほ信託銀行株式会社

【拠出信託財産】

3億円

【設立時期】

昭和60年(1985年)10月

【主務官庁】

環境省

【事業】

  • ・ 日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・ その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

前田 達明
京都大学名誉教授

【運営委員長】

八木橋 惇夫
元環境事務次官

【運営委員】

沢田 裕一
滋賀県立大学環境科学部教授
布谷 知夫
三重県立博物館館長
斎藤 清明
元総合地球環境学研究所教授
鹿野 久男
元財団法人国立公園協会理事長
遊磨 正秀
龍谷大学理工学部教授
大宮 正
宝ホールディングス株式会社代表取締役副会長
矢野 雅晴
宝ホールディングス株式会社取締役

助 成 実 績

年度

助成件数

助成金合計(万円)

1

1986年

7

405

2

1987年

9

500

3

1988年

10

500

4

1989年

12

580

5

1990年

12

600

6

1991年

15

700

7

1992年

12

500

8

1993年

11

620

9

1994年

10

500

10

1995年

12

600

11

1996年

11

502

12

1997年

11

468

13

1998年

10

500

14

1999年

11

500

15

2000年

11

500

16

2001年

11

500

17

2002年

12

500

18

2003年

10

500

19

2004年

11

550

20

2005年

11

500

21

2006年

11

500

22

2007年

10

500

23

2008年

10

500

24

2009年

10

498.9

25

2010年

11

486

26

2011年

10

498.4

27

2012年

10

496.7

28

2013年

10

487.4

合 計

301

1億4492万4千円