公益信託TaKaRaハーモニストファンド平成22年度(第25回)の助成先決定
~11件、助成金額総額486万円~

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自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された公益信託TaKaRaハーモニストファンドの平成22年度の助成先が、運営委員会の審査を経て、このほど別表の通り決定しました。
本年度の助成先は、団体、個人あわせて11件で、助成金額合計は486万円です。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドは、昭和60(1985)年に宝ホールディングス(当時は寳酒造(株))の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって自然環境保全に関する研究・活動への助成を四半世紀にわたって続けています。25年間の助成先はのべ271件、助成金累計額は1億3009万9千円となりました。

今回は、志摩市和具大島のアツバキミガヨラン駆除を通して島本来の豊かな自然と生物多様性を取り戻すことを目的とする“志摩半島野生動物研究会"やコウノトリの採餌環境の造成と維持管理手法の研究を行う“コウノトリ湿地ネット(豊岡市)"など11件の団体、個人が選出されました。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドの助成先の研究・活動エリアはこれまでに44都道府県に及び、全国各地に広がっています。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境の保全推進に貢献してまいります。

本年度の助成金贈呈式は、6月18日(金)午前11時より、京都市下京区のからすま京都ホテルでおこなわれます。助成金贈呈式には、霞ヶ浦漁業研究会(茨城県)、クマタカ生態研究グループ(滋賀県)、志摩半島野生動物研究会(三重県)、いこま棚田クラブ(奈良県)、安田自治振興会(広島県)の5団体が出席される予定です。

平成22年度 TaKaRaハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先・代表者名

助成額・地域

テーマ・研究・活動の内容目的




霞ヶ浦漁業研究会
代表 濱田 篤信

50万円
茨城県

シジミ漁業再生戦略研究日本国内のシジミの漁獲量は昭和30年ごろから増えはじめ、50年ごろにピークを迎えたが、それ以降減少が続き、現在は宍道湖等の漁場が残るだけで、近い将来壊滅的な状態となるおそれがある。
未解明であるヤマトシジミの資源減少の原因や繁殖機構を明らかにし、シジミ漁業の再生策を提言することを目的とし、河川改修等の活動がヤマトシジミ資源の増減に与えた影響を解明するとともに、生物多様性保全のための水資源管理のありかたについても提言を行う。

クマタカ生態研究グループ
代表 山崎 亨

50万円
滋賀県

イヌワシの行動圏と生息場所利用の解明日本における山岳森林生態系の食物連鎖の頂点に位置する大型猛禽類であるイヌワシは、1986年以降繁殖成功率が急激に低下しており、81年からの25年間に43ペアが消失している。この原因は解明されていないが、人工林面積の急激な拡大や燃料革命による森林資源利用の減退などによる森林の変化が大きな要因だと考えられている。
現在のイヌワシの行動圏と生息場所を調査し、25年前と比較することで、イヌワシの保全に必要な森林のあり方を検討する。

(個人)
中西 康介

50万円
滋賀県

滋賀県の水田における水生動物群集の動態と保全に関する研究水田は広大な面積を占める止水域であり、さまざまな水生動物の繁殖場所や生息場所として利用されている。生物多様性に配慮した減農薬栽培などを行う水田は増加しているが、水田を湿地生態系として捉えた生態学的研究は少ない。
そこで、滋賀県高島市において、農法の異なる水田におけるプランクトンや水生昆虫、魚類などの水生動物群集の種構成や季節消長を調べることにより、水田の環境が水生動物群集に与える影響を明らかにすることを目的とする。また、水田における生物多様性保全を目ざす栽培管理方法についても検討する。

(個人)
石谷 正宇

40万円
広島県

自然再生地における昆虫類の生物多様性保全に関する研究平成15年に施行された自然再生推進法に基づき、広島県では西中国山地国定公園内にある八幡湿原の自然再生事業が行われ、平成21年度末をもって自然再生工事が終了した。現在は、事業地の自然の再生状況を把握し、どのように維持管理をしていくのかを検討する段階にきている。
必要な維持管理方法について、関係機関へ提案するため、指標昆虫類(チョウ類及びトンボ類)を使用して生物モニタリングを行い、昆虫再生のための管理手法について考察する。




間伐ボランティア「札幌ウッディーズ」
代表 河崎 盟

50万円
北海道

甦れ 里山民有林再生事業北海道では、昭和29年の台風15号による未曾有の風倒木被害後、森林再生の機運の高まりにより「拡大造林計画」が実施されたが、今では十分な手入れがされないまま放置され、過密枯損や空隙地などが発生し、林木の成長阻害、景観の悪化、森林の過疎化等の問題が生じている。さらに平成16年9月の台風18号の被害により、多量の風倒木が発生し、処理できずに手つかずの状態になっている。
これらの課題を解決するべく、市民レベルで札幌市近郊の森林を再生することを目的とする。

志摩半島野生動物研究会
代表 若林 郁夫

46万円
三重県

志摩市和具大島のアツバキミガヨラン駆除三重県志摩市志摩町の沖合に浮かぶ和具大島は、全域が「和具大島暖地性砂防植物群落」として県の天然記念物に指定されている。しかし、その貴重な自然が残る島に、外来植物アツバキミガヨラン(通称ユッカラン)が侵入して在来の海浜植生を駆逐していることが問題視されている。
同会は環境省志摩自然保護官事務所と協力して2004年からアツバキミガヨランの駆除を開始し、大きな株の大部分を駆除した。
今後も駆除を継続することにより、アツバキミガヨランを根絶に追い込み、志摩本来の豊かな自然環境と生物多様性を取り戻すことを目指す。

おにぐるみの学校
代表 小林 圭介

20万円
滋賀県

木の岡ビオトープの貴重な自然を活用した地域づくり木の岡ビオトープは琵琶湖南湖の抽水植物域から湿性林域にかけての推移帯にあり、動植物の貴重な生息・生育空間が残っている。
また、開発の進む都市環境の中に残された自然度の高い自然環境でもあり、琵琶湖の自然環境を保全することの意義を学び、伝える上で重要な場所である。しかし、ゴミの不法投棄、釣り船の不法係留、釣りによる水界生態系の攪乱などさまざまな影響が深刻化してきている。
これらの課題を解決し、琵琶湖の豊かな自然環境の一つとして次世代に引き継ぐための地域づくりをビオトープの保全・整備・管理の実行とともに行う。

いこま棚田クラブ
代表 出口 育宏

30万円
奈良県

生駒市の西畑地区の棚田・里山の再生と創造生駒市西畑地区の棚田・里山は農村の高齢化、経済性悪化、第二阪奈トンネル工事の水脈切断による水不足などの影響により休耕地が増え、荒廃が進んでいた。素晴らしい景観を後世に残そうと地元自治会が「西畑棚田を守る会」を結成したが18世帯80人では難しく、景観ボランティアを求めていた。
その求めに応じて2003年に結成されたいこま棚田クラブでは、毎週1回棚田に出向いて景観整備、援農、自然環境教育を3本柱として活動を続け、地域ぐるみで棚田・里山の再生に取り組んでいる。

コウノトリ湿地ネット
代表 横田 登代子

50万円
兵庫県

コウノトリの採餌環境の造成と維持管理手法の研究世界的にも絶滅が危惧されるコウノトリの生息地となることを目的に造成された“ハチゴロウの戸島湿地”において、魚類・甲殻類は河川からの多数の朔上、繁殖が確認された。しかし、肝心のコウノトリの採餌環境にはなっていない。
魚類等の生息条件とコウノトリの採餌可能条件を合致させるにはどのような水辺環境が必要かを試行し、また、コストと労力を極力かけない管理方法を研究し、その方法の確立を目指す。

NPO法人 自然再生センター
代表 徳岡 隆夫

50万円
鳥取県

中海・彦名処理地の動植物相の現状調査と環境学習の場としての利活用の検討中海米子湾にある彦名処理地は浚渫底泥の置場として国によって造成されたが、一部が水域として残され、国指定中海鳥獣保護区に指定されている。この水域には多くの絶滅危惧種が生息していることが確認されたが、水域の利活用は今までされてこなかった。
平成20年の自然再生推進法に基づき設立された中海自然再生協議会では国交省も参加して処理地の自然再生について検討している。
その一環として、彦名処理地の水生動植物の詳細な現況調査を行い、自然再生に向けた検討の基礎資料にするとともに、環境教育活動の資料を作成する。

安田自治振興会
代表 上垣 良三

50万円
広島県

安田地域における絶滅危惧種ダルマガエルの保護・保全活動1970年代前半には絶滅したと考えられていたダルマガエルが、1991年に三次市吉舎町(きさちょう)安田で再発見され、地域住民有志が保護活動を開始し、地域ぐるみの推進体制を整えた。
しかし近年、鳥獣被害や稲の品種の変化などで、ダルマガエルの絶滅の危険性が以前より増大している。そこで、今後も県内唯一の自生地を保全するための地域住民が一体となった活動を推進する。

 

助成総額

486万円

<公益信託TaKaRaハーモニストファンド概要>

【名称】

公益信託TaKaRaハーモニストファンド

【信託目的】

わが国の自然を形づくる豊かな緑ときれいな水を守ることを中心として、日本の 自然環境の保全の推進に寄与することを目的としています。

【委託者】

宝ホールディングス株式会社

【受託者】

みずほ信託銀行株式会社

【信託財産】

3億円

【設立時期】

昭和60年(1985年)10月

【主務官庁】

環境省

【事業】

  • ・ 日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・ その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

前田 達明
京都大学名誉教授

【運営委員長】

八木橋 惇夫
財団法人環境情報普及センター理事長

【運営委員】

沢田 裕一
滋賀県立大学環境科学部教授
布谷 知夫
琵琶湖博物館名誉学芸員
斎藤 清明
元総合地球環境学研究所教授
鹿野 久男
財団法人国立公園協会理事長
遊磨 正秀
龍谷大学理工学部教授
大宮 正
宝ホールディングス株式会社取締役副社長
井野 拓磨
宝酒造株式会社常務取締役

< 助 成 実 績 >

年度

助成件数

助成金合計(万円)

昭和61年

405

昭和62年

500

昭和63年

10

500

平成元年

12

580

平成2年

12

600

平成3年

15

700

平成4年

12

500

平成5年

11

620

平成6年

10

500

10

平成7年

12

600

11

平成8年

11

502

12

平成9年

11

468

13

平成10年

10

500

14

平成11年

11

500

15

平成12年

11

500

16

平成13年

11

500

17

平成14年

12

500

18

平成15年

10

500

19

平成16年

11

550

20

平成17年

11

500

21

平成18年

11

500

22

平成19年

10

500

23

平成20年

10

500

24

平成21年

10

498.9

25

平成22年

11

486

合 計

271

13,009.9