公益信託TaKaRaハーモニストファンド平成21年度(第24回)の助成先決定
   ~助成金額総額498.9万円、個人、団体10件を選出~

公益信託TaKaRaハーモニストファンド
委託者;宝ホールディングス株式会社
受託者;みずほ信託銀行株式会社

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自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された、公益信託TaKaRaハーモニストファンドの平成21年度の助成先が、このほど別表の通り決定しました。
 本年度の助成先は、運営委員会の審査を経て決定された、団体、個人あわせて10件で、助成金額合計は498.9万円です。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドは、昭和60年に宝ホールディングス(当時は寳酒造(株))の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって毎年自然環境保全に関する研究・活動への助成を続けています。第1回からの助成先はのべ260件、助成金累計額は1億2523万9千円となりました。

今回は、「中海における水生植物群落再生のための実験研究」を通して高等水生植物中心の生態系への回復をめざす中海水鳥国際交流基金財団や「市民参加型干潟調査手法の普及と調査の実践」をすすめるNPO法人 日本国際湿地保全連合など10件が選出されました。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドの助成先はこれまでに40都道府県に及び、全国各地に広がりつつあります。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境の保全推進に貢献してまいります。

本年度の助成金贈呈式は、6月12日(金)午前11時より、京都市下京区のからすま京都ホテルでおこなわれます。助成金贈呈式には、中海水鳥国際交流基金財団(鳥取県)、NPO法人 中池見ねっと(福井県)、NPO法人 内之浦湾を良くする会(和歌山県)、諸澤(もろさわ)崇(たか)裕(ひろ)さん(茨城県)、森本元さん(千葉県在住で、活動エリアは富士山域)の3団体2個人が出席される予定です。

平成21年度 TaKaRaハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先・代表者名

助成額・地域

テーマ・研究・活動の内容目的




NPO法人
サロベツ・エコ・ネットワーク
代表 斎藤 慶四郎

50万円
北海道

北海道・下サロベツ原野における自然再生に向けた泥炭採掘跡地状況調査サロベツ原野は低地における日本最大の高層湿原として国立公園に指定され、ラムサール条約湿地に登録されている。しかし近年、開発等にともなう湿原の乾燥化などさまざまな問題が生じているため、平成16年度より上サロベツ地域では上サロベツ自然再生協議会を発足し、官民一体の活動が始まった。今まで取り組みが行われていなかった下サロベツも同様に環境の悪化が懸念されている。
本研究では、下サロベツ地域における泥炭採掘跡地等を調査し、自然再生の必要性や修復の可能性などを検討するための基礎データ収集を目的とする。

世界遺産白神山地 ブナ林モニタリング調査会
代表 齋藤 宗勝

50万円
青森県

白神山地ブナ林の森林構造及び森林動態調査研究世界遺産・白神山地のブナ林モニタリング調査を実施し、そのデータを活かすことにより豊かな森を守り貴重な生態系を後世に引き継ぐことを目的とする。また、自然を五感で感じ学ぶ人々との輪づくりと継続調査のためのボランティア人材づくり等をめざす。
なお、平成21年・22年度は仮設トイレの設置や携帯トイレの使用、炊事場環境の見直しなど環境に負荷を与えない調査体制を構築することに重点をおく。

中海水鳥国際交流基金財団
代表 野坂 康夫

50万円
鳥取県

中海における水生植物群落再生のための実験研究中海はかつては豊穣の海と呼ばれ、広大な藻場が存在し、それを食べるコハクチョウを含む多くの水鳥が飛来していた。しかし、近年干拓事業などの影響で水質汚濁がすすみ、藻場が消失して水鳥は水田で採食するようになり生態が変化している。
現在、自然再生事業として中海の自然再生を進めているが、プランクトン中心の生態系になってしまった中海を、もとの高等水生植物中心の生態系へ回復させることは困難である。中海同様の汽水を維持している米子水鳥公園のつばさ池において、水草の植栽実験を行い、生態系の回復が可能か調査することを目的とする。

(個人)
諸澤 崇裕

48.9万円
茨城県

霞ヶ浦に生息するタナゴ類の季節移動の解明霞ヶ浦には在来4種、外来3種のタナゴ類が生息している。在来種は全て国のレッドリスト記載種で保全の必要性が大変高い。その減少要因として、外来種との種間競争が注目されているが、霞ケ浦では富栄養化などの生息環境の悪化が大きく影響している可能性が示唆されている。タナゴ類の生息に影響する水質は富栄養化などの人為的な影響によっても変動するが、日変化や季節変化も見られ、移動の解明は大変重要である。
本研究ではタナゴ類の季節移動パターンを明らかにすることを目的とし、さらに在来種と外来種の間で移動パターンや季節的な空間利用に違いがあるかも検証する。

(個人)
森本 元

50万円
山梨県
静岡県

高山帯での劇的な環境変化への高山性鳥類の反応と繁殖生態に関する研究国土のほとんどを山地が占めているという地形はアジア圏の特徴であり、山岳地特有の生物相と生物生態が存在する。
本研究は、高山性鳥類の代表種ルリビタキを対象として、高山の特徴である繁殖期間中に起きる融雪がその繁殖に与える影響を探る。研究の対象域は富士山である。
この研究により、「高山帯における融雪」と「鳥類の繁殖開始のタイミング・雄のなわばり選択」間の関係をあきらかにする。




気仙沼大島観光協会
代表 白幡 昇一

50万円
宮城県

小田の浜海水浴場「アクア・ピュア大作戦」小田の浜海水浴場は平成18年環境省「日本の快水浴場百選・特選」に認定され、以前にもまして熱心な清掃活動が展開されている。その一方で、水質の面では水路から流入する雑排水が課題となっており、観光関係者がポンプでくみ出し、他の場所で処理することで水質を保全してきた。
本研究では、廃棄物となっているカキ殻などを利用した「簡易濾過装置」を手づくりし、排水浄化の実験を実施し手法の有効性を調査する。水質モニタリングに関しては、地元小中学校、高校、漁協なども巻き込んで手法確立をめざし、新たな体験学習のメニュー化も模索する。

NPO法人中池見ねっと
高木 光夫
笹木 智惠子
筒井 宏行

50万円
福井県

希少な湿性植物の育成域拡大に関する実践活動中池見湿地は市有地で、一部の学習田を除き、水田耕作が認められていない。湿地にはデンジソウ、ミズニラ、ヒメビシ、ミズトラノオ、オオアカウキクサなどの絶滅危惧種の希少湿性植物が数多く育成しているが、水環境の変化やアメリカザリガニの影響で危機にひんしている。
希少湿性植物の育成域拡大の実践活動として、減農薬の稲作と同時に希少種の移植栽培に取り組む。また、動植物のモニタリング調査を行い、希少種の育成域拡大手法について実証を図ることを目的とする。

NPO法人
日本国際湿地保全連合
代表 辻井 達一

50万円
愛知県
三重県

市民参加型干潟調査手法の普及と調査の実践干潟は高い水質保全機能を有している生態系で、生物多様性保全の観点からも非常に貴重で環境教育の場としても適している。
干潟域に生息するベントス(底生生物)の既存調査手法は困難で、市民調査の普及をさまたげている。そこで、ベントスを教材とした環境教育を展開するため、現実的な市民調査方法を確立し、その普及啓発を図る。
また、専門家を講師として招き、調査の実施を希望する市民が参加できる研修会を三河湾・伊勢湾で実施する。

NPO法人
内之浦湾を良くする会
代表 越原 康之

50万円
和歌山県

海を育て漁場の宝庫に(海の草原づくり)内之浦湾は世界遺産の熊野古道の入り口であり、たなべ内之浦海の駅にも指定されている。埋め立てや水質悪化の影響で、魚介類の稚魚にとって大切なアマモ場(海の草原)が減少している。内之浦湾周辺の地域・海域の美化に努め、魚介類に必要な「アマモ場」づくりと海浜海底の清掃活動の継続により、漁業の宝庫として観光客の集客に努め、地域の活性化をめざす。

指宿地区自然保護
ボランティア協議会
代表 上野 義光

50万円
鹿児島県

知林ヶ島イラストマップ作成知林ヶ島は霧島屋久国立公園の無人島で、干潮時には干上がった海底で陸続きとなる現象(トンボロ現象)が起こる。平成20年度に環境省により自然とふれあうための島を周回する歩道が整備されたため、多くの利用者が訪れることが見込まれる。
そのため、自然環境や島でのマナーを解説するイラストマップが必要と考え、作成する。

 

助成総額

498.9万円

<公益信託TaKaRaハーモニストファンド概要>

【名称】

公益信託TaKaRaハーモニストファンド

【信託目的】

わが国の自然を形づくる豊かな緑ときれいな水を守ることを中心として、日本の 自然環境の保全の推進に寄与することを目的としています。

【委託者】

宝ホールディングス株式会社

【受託者】

みずほ信託銀行株式会社

【信託財産】

3億円

【設立時期】

昭和60年(1985年)10月

【主務官庁】

環境省

【事業】

  • ・ 日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・ その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

前田 達明
京都大学名誉教授

【運営委員長】

日高 敏隆
京都大学名誉教授

【運営委員】

八木橋 惇夫
財団法人環境情報普及センター理事長
鹿野 久男
財団法人国立公園協会理事長
布谷 知夫
琵琶湖博物館名誉学芸員
沢田 裕一
滋賀県立大学環境科学部教授
斎藤 清明
総合地球環境学研究所教授
大宮 正
宝ホールディングス株式会社取締役副社長
井野 拓磨
宝酒造株式会社常務取締役

< 助 成 実 績 >

年度

助成件数

助成金合計(万円)

昭和61年

405

昭和62年

500

昭和63年

10

500

平成元年

12

580

平成2年

12

600

平成3年

15

700

平成4年

12

500

平成5年

11

620

平成6年

10

500

10

平成7年

12

600

11

平成8年

11

502

12

平成9年

11

468

13

平成10年

10

500

14

平成11年

11

500

15

平成12年

11

500

16

平成13年

11

500

17

平成14年

12

500

18

平成15年

10

500

19

平成16年

11

550

20

平成17年

11

500

21

平成18年

11

500

22

平成19年

10

500

23

平成20年

10

500

24

平成21年

10

498.9

合 計

260

12,523.9