公益信託TaKaRaハーモニストファンド平成20年度(第23回)の助成先決定

公益信託TaKaRaハーモニストファンド
委託者;宝ホールディングス株式会社
受託者;みずほ信託銀行株式会社

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自然環境保全の推進に寄与することを目的として設立された、公益信託TaKaRaハーモニストファンドの平成20年度の助成先が、このほど別表の通り決定しました。

本年度の助成先は、運営委員会の審査を経て決定された、団体、個人あわせて10件で、助成金額合計は500万円です。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドは、昭和60年に宝ホールディングス(当時は寳酒造(株))の拠出基金(信託財産)をもとに設立され、その基金及び運用益によって毎年自然環境保全に関する研究・活動への助成を続けています。第1回からの助成先はのべ250件、助成金累計額は1億2025万円となりました。

今回は、絶滅危惧種のアユモドキの復元や生物多様性の維持と地域住民の共生を目的とした研究の「南丹市八木町におけるアユモドキ個体群の復元に関する調査」や元ホームレスやネットカフェ難民と呼ばれる人々の「社会参加型ボランティア事業としてのホンモロコ養殖と琵琶湖放流活動」など10件が選出されました。

公益信託TaKaRaハーモニストファンドの助成先はこれまでに40都道府県に及び、全国各地に広がりつつあります。今後とも地域の自然環境保全に関する研究・活動への助成を通じて、自然環境の保全推進に貢献してまいります。

本年度の助成金贈呈式は、6月16日(月)午前11時より、京都市下京区の宝ホールディングス株式会社でおこなわれます。助成金贈呈式には、NPO法人グローバルヒューマン(滋賀県)、自然史教育談話会(三重県)、NPO法人 亀岡人と自然のネットワーク(京都府)、六甲山自然保護センターを活用する会(兵庫県)、ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会(広島県)、5団体が出席される予定です。

平成20年度 TaKaRaハーモニストファンド 助成先 一覧

 

助成先・代表者名

助成額・地域

テーマ・研究・活動の内容目的




奥多摩ツキノワグマ研究グループ
 代表 山崎 晃司

50万円
茨城県

奥多摩山地におけるツキノワグマの秋期の土地利用に関する研究秩父多摩甲斐国立公園の東南部を占める多摩川集水域(東京都奥多摩町・山科県丹波山村など)では、秋期を中心にツキノワグマと人間との間での人身事故を含む軋轢が起こっている。特に里山部の地域住民や国立公園利用者とクマの間の軋轢事例は増加傾向にあり、悩ましい問題になっている。
こうした軋轢の発生機構解明に向け、ツキノワグマの秋期の行動範囲と行動量がエサの量、分布、フェノロジー(生物季節)などからどのような影響を受けているかについて、活動量センサー付きのGPS首輪を用いて調べる。

NPO法人 亀岡 人と自然のネットワーク
 代表 上田 稔

50万円
京都府

南丹市八木町におけるアユモドキ個体群の復元に関する調査近年著しく減少した南丹市八木町に生息するアユモドキ個体群の復元を目的とする。南丹市八木町の個体群復元の鍵をにぎる桂川本流寅天堰(とらてんぜき)直下部で本種の生息状況を明らかにし、以前の生息場所における本種個体群復元の可能性について検討する。
これと並行して以前本種が生息していた場所において、現在の分布状況と周辺環境を明らかにし、その結果を過去と比較することにより、今後再びこの場所に本種個体群を復元させることが可能な条件について考察する。更に、この研究を通して当該地域のアユモドキを中心とする生物多様性の維持と地域住民との共生を目的とした活動を行う人員の育成をはかり、地域に貢献する。

ミヤジマトンボ保護管理連絡 協議会
代表 水田 國康

50万円
広島県

ミヤジマトンボの生息地の復活ミヤジマトンボ国内では宮島のみに生息し、生息地は汽水性の湿地が残る海岸に3箇所が残るのみとなっている。これらの生息地も平成15年以降、台風で海砂が堆積するなどにより個体数が激減している。このような状況から、平成17年9月に本協議会を立ち上げ、専門家・保護活動家や行政担当者で生息地を調査し、生息地の保全について協議を重ね、保護活動に活かしている。平成20年度以降は、採卵や幼虫の飼育技術を確立するとともに、もともと生息していた湿地等へ放虫し、モニタリング調査を行うことにより絶滅のリスク回避を図る。

(個人)
浅香 智也

50万円
愛知県

希少種スナヤツメが生息できる農業用水路の環境に関する研究在来種が多く生息する農業用水路で調査をしており、採集魚種のうちヤツメウナギ科のスナヤツメは環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。本研究では生物地理上重要な滋賀県産スナヤツメが、モデル地のどのような場所を利用しているかを定量的に調査する。また、当水域で個体群存続が健全に維持されている理由を個体分構造と環境要因の両面から検証し、他地域での本種保全に役立つ知見を提供する。
さらに本種は在来種が生息する環境様態を端的に召す指標種であることから、本個体群が持続的に生息できる環境条件を解明する。
農業生産と在来生態系の存続が両立できるシステムの構築を将来的な目標とする。

(個人)
鈴木 規慈

50万円
滋賀県

滋賀県のため池における絶滅危惧種カワバタモロコの個体群動態に関する研究カワバタモロコは生息環境の改変や悪化に伴って激減し、現在環境省のレッドリストで絶滅危惧種IB類に指定されているコイ科の淡水魚である。2006年度から滋賀県の本種生息地であるため池10箇所で行ってきた調査の結果から、池間で本種の体長組成が異なっていることが示唆された。特に採集個体における新規加入個体と思われる小型個体の割合に池間で違いが認められた。
これらのことから、本種の個体群動態に違いがあることが推察されるが、その要因としての検討すべき本種の生活史に関する知見は少ない。そこで本研究では本種のため池における個体群動態の把握と生活史の解明を目的とする。




自然史教育談話会
代表 渡辺 守

50万円
三重県

宮川浄化センターにおける絶滅危惧種樋ヒヌマイトトンボの保護・保全活動絶滅危惧種I類に該当するヒヌマイトトンボは、河岸・河口などの汽水域に成立したヨシ群落に生息しているが、近年埋め立てや河川改修などの影響で減少の一途をたどっている。1998年、三重県の下水道施設建設予定地でヒヌマイトトンボが発見された。当会は生態学的調査により三重県に保全策を提言し、2003年1月に既存生息地の隣に新たな生息地「保全ゾーン」が創生された。
5年にわたるモニタリングの結果、現段階では環境への影響緩和は成功している。
今後もこの個性群を維持させるため、モニタリング調査や啓発活動を行い、絶滅危惧種の保護・保全に貢献する。

NPO法人 グローバルヒューマン
 代表 高橋 英夫

50万円
滋賀県

社会参加型ボランティア事業としてのホンモロコ養殖と琵琶湖放流活動古くから琵琶湖で盛んに行われていたホンモロコ漁の捕獲高は外来種による捕食、ヨシ原減少等により激減し、平成17年度滋賀版レッドデーターブックでは絶滅危機増大種に指定され、高級川魚となった。
格差社会で強い疎外感を抱く元ホームレスやネットカフェ難民と呼ばれる人々の社会参加型ボランティア事業として、当法人の池沼でホンモロコを養殖し、中サイズ以下の魚を琵琶湖に放流して琵琶湖の生態系と自然環境回復に積極的貢献する。また、限界集落と呼ばれる地域の休耕田の活用、過疎地域の活性化と原風景の復活を目指す。

六甲山自然保護センターを活用する会
 代表 堂馬 英二

50万円
兵庫県

六甲山記念碑台と近畿自然歩道周辺区域の環境整備及び調査六甲山上の記念碑大近くの近畿自然歩道と周辺区域一帯を、学童や一般市民の環境学習や自然観察のフィールドとして活用すると共に、専門家の指導を受けながら環境整備と保全をめざして活動を進める。対象地域は放置された山林の状態で、特にその低地にある「二つ池」にはモリアオガエルが生息しているが、貧弱な生態系であると見られており、その実態の調査はまだなされていない。
活動区域において総合的に環境調査を行う一環として、近隣の小学校などの学童や一般市民の参加を求めて、近畿自然歩道の植生調査、「二つ池」周辺の水棲生物の生態調査や水際の環境植生調査を行う。活動を推進するに際して、専門家の指導を受け、環境学習や生涯学習につないでいくことを目的とする。

福岡都市圏の生き物を考える会
 代表 鬼倉 徳雄

50万円
福岡県

福岡都市圏津屋崎地区における長期的保全活動のための基盤構築当会は福岡都市圏で緊急性の高い課題を取り上げ、その課題の解決にむけて(1)ネットワークづくり(2)効果的保全戦略の検討(3)一般への啓発(4)長期的保全に向けた地域行政の協力の獲得を目指す。
今回は福岡氏のベッドタウンとして開発が著しい津屋崎地区を優先課題として取り上げる。この地区は小規模団体がカブトガニ、野鳥、ニッポンパラタナゴ、ウミガメなどを個別に調査、保全し、また大学が啓発活動を別に行っている。
(1)~(4)の手順を行い、協力して保全活動を実施できる体制を整え、長期的保全活動のための基盤を形成する。

石垣島沿岸レジャー安全協議会
 代表 成底 正好

50万円
沖縄県

石垣島沿岸域のサンゴの定点調査石垣島沿岸域はサンゴ礁が発達し、豊かな海の生態系が見られる場所として観光客に人気だが、遊泳客や漁船、ダイビング船などにサンゴが破壊されることも多くある。また、赤土や生活排水の流入や海水温度の上昇などサンゴを取り巻く環境は危機的である。
このような沿岸域のサンゴの現状を調べ、現状を住民に知ってもらい今後の保護活動へつなげることを目的とする。
今年は「国際サンゴ礁年」でもあり、世界各地でサンゴ礁についての活動が行われており、サンゴの定点調査によってこの取り組みに参加したいと考えている。

 

助成総額

500万円

<公益信託TaKaRaハーモニストファンド概要>

【名称】

公益信託TaKaRaハーモニストファンド

【信託目的】

わが国の自然を形づくる豊かな緑ときれいな水を守ることを中心として、日本の自然環境の保全の推進に寄与することを目的としています。

【委託者】

宝ホールディングス株式会社

【受託者】

みずほ信託銀行株式会社

【信託財産】

3億円

【設立時期】

昭和60年(1985年)10月

【主務官庁】

環境省

【事業】

  • ・ 日本の緑を構成する森林、木材などの陸域の自然環境を保護するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 海、湖、河川などの水域の自然環境(水棲生物を含む)を保全するための研究・活動に対して助成します。
  • ・ 信託目的を達成するために必要と認められる普及・啓発事業をおこないます。
  • ・ その他、信託目的を達成するために必要と認められる事業をおこないます。

【信託管理人】

前田 達明
京都大学名誉教授

【運営委員長】

日高 敏隆
京都大学名誉教授

【運営委員】

八木橋 惇夫
財団法人環境情報普及センター理事長
田村 久仁夫
元財団法人国立公園協会理事長
布谷 知夫
琵琶湖博物館上席総括学芸員
沢田 裕一
滋賀県立大学環境科学部准教授
斎藤 清明
総合地球環境学研究所教授
大宮 正
宝ホールディングス株式会社取締役副社長
井野 拓磨
宝酒造株式会社常務取締役

< 助 成 実 績 >

年度

助成件数

助成金合計(万円)

昭和61年

405

昭和62年

500

昭和63年

10

500

平成元年

12

580

平成2年

12

600

平成3年

15

700

平成4年

12

500

平成5年

11

620

平成6年

10

500

10

平成7年

12

600

11

平成8年

11

502

12

平成9年

11

468

13

平成10年

10

500

14

平成11年

11

500

15

平成12年

11

500

16

平成13年

11

500

17

平成14年

12

500

18

平成15年

10

500

19

平成16年

11

550

20

平成17年

11

500

21

平成18年

11

500

22

平成19年

10

500

23

平成20年

10

500

合 計

250

12,025